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現実の辛さ

kage

2014/03/07 (Fri)

仕事が辛い。本当に辛い。

アンケート取りで初対面の人に話しかけると「あなたも大変ねぇ」と言われる。
その人に仕事の愚痴を言った覚えはないが、ていうか、さっき声を掛けたばかりの人に、気遣いされる。
着物屋さんの仕事の辛さを、言わなくても感じ取ってもらえてるのかしらねえ。

私は着物が好きで着付けの資格を生かした仕事がしたくて、この会社に入った。
毎日着物に囲まれて、自分も着物姿で働ける、なんて楽しい仕事!

なんてのは、うわべだけで、実際は、着付けの資格なんかどうでも良かった。
販売能力がモノを言う。

アンケートという名目でお客さんの住所電話番号をゲットし、さっそく手紙電話をしまくる。
「アンケートに答えていただきありがとうございました」のはがきを出し、次の日にはお礼の電話。しばらくして展示会等のDMを出し、その後で「手紙届きました~?」の電話をし、手紙、電話、のくり返し。
相手の人にそっけなく電話を切られても、次々と手紙を出す。相手が怒って来るまでやる。
それが、着物屋の仕事です。
電話でしゃべる内容はマニュアルがあって、それを読んでいるだけ。相手がこう言ってきたらこう切り返す、といったマニュアルも用意してある。
アンケートで獲得した名簿は自分のお客さんになるのだけど、アンケート取りでずっと立っていても誰も書いてくれない日もあるので、私のお客さんは少ない。まだ入社して2ヶ月だから少なくて当然だけど、その少ないお客さんに、しつこく電話したり手紙を出したりを繰り返さないといけない。ほとんどのお客さんは冷たく切られたり電話に出なかったりで、初めは優しい口調だった人も、しまいには「もう掛けてこないで」と言われてしまう。
それなのに、店長からは、「今日中に20件電話して」と簡単に言われる。もう掛けるところありません。掛けたくありません。

アンケートに答えてくれる人は、本当に親切でいい人。いろんな話を楽しくさせてもらって、「抽選で着物が当たりますよ」と言うと素直に信じている。
「ご来場プレゼントを渡したいのでお店に取りに来てください。」というと、本当にプレゼントをもらうだけと思って来てくれる。でも、店に入ってから、展示会の勧誘やイベントの勧誘や、次々とお誘いしなければならない。通りすがりのお客さんに声をかけてアンケートに答えてもらっただけなのに、たちまち勧誘攻めしたって、喜んで急に着物を買う人はいない。何かもらえると思って、ちょっと店に寄っただけのお客さんに従業員2人以上で囲んで誘いまくる。お客さんはヤバイ掴まった!という顔して「なんだ、そういうことね。あーなるほど、はいはい」と言って、帰っていく。たぶんもう、その人は店に来ない。

着物の販売ってこういうことね。
正直、幻滅しています。

ただ店で待っていても、お客は来ない。だからこっちから行く。
ガンガン責めて、相手に断る隙を与えない話し方テクニックを教えてもらった。着付けの基本や着物の知識は、教えてもらってない。それは自分で勝手に勉強してって感じ。

私は勧誘電話が掛かってきても、そっけなく切ってしまう方だったから、自分もそれをやるのは、ものすごく辛い。しかもアンケートに答えてくれるような優しいオバちゃんだとしても、しつこく電話したために、嫌われて「また、あなたなの?」と言われてしまう。嫌がられると分かっていても電話しないといけない。今日は何件電話したかを店長に報告しないといけない。

これから先、長く勤めて仲良くなったお客さんが増えたとしても、その影でしつこい勧誘のせいで嫌われた人が、何倍もいる。
買う見込みの無い人はお客さんリストから外されるから、嫌われた人は捨てて自分にとって都合の良いお客さんとだけ付き合えばいい。
そんな冷めた考えが根付いてしまわないうちに、辞めたい。いくら仕事と割り切っても、自分で許せない。

どう見ても着物とは縁のないような、貧乏くさい格好をして収入も無い人が、何度も勧められるままに高価な着物を買っていく。この人はローンに追われ苦しい生活をするだけだ。とても着物を着てお出かけしそうな人に見えない。
お客さんの生活なんてどうでもいい。その人がこの着物を着る日がくるのか、なんてどうでもいい。また次の展示会でも買ってくれればいい。クレジット限界額までお金をむしりとれ。商売の世界はそんなもの。
それが普通で、なんとも思わない、そんな人間になりたくない。それとも私が世間知らずなのかなぁ。

もういやだ。そう思ったら、笑顔でアンケート取りなんか出来ない。

面接で言われたことと、入社してからとはぜんぜん違う、なんてことは良くあること。想像していたのと実際が違っていたとしても、社会に出れば当然で我慢しないといけないことはたくさんある。
だけど、土日祝日は休んでもいいと言われたのに、今月は一日も休めない。
家にカップラーメンと子どもを置いて仕事に出かける。毎週毎週、子どもはずっと家で留守番。
私にとって、これが一番辛い。

電話やはがきが嫌だとかは、ただのわがままかもしれない。でも、子どもに寂しい思いをさせてまで、私はこんな仕事をしているのか、と思ったら泣けてきて泣けてきて。職場で号泣しちゃったよ。

ハローワークで他の仕事を紹介してもらった。採用試験があるので落ちるかもしれない。でも、もし落ちても今の仕事は今月いっぱいで辞めようと思う。

着物が好きで着物を楽しみたいのなら、この会社にいないほうがいいよね。純粋に着物を楽しめないもの。

はー、ため息でちゃうわ。

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