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魔人探偵脳噛ネウロ12~14巻 あらすじ&感想

kage

2012/09/30 (Sun)

 ネウロへの借金返済のためバイト探しに奔走する弥子。そこで偶然「Ⅹ」のパートナーのアイと遭遇する。アイの正体を知らない弥子は、見ず知らずの親切な女性と思い込んだままアイの手助けで大金を得て、借金地獄から開放される。アイは弥子の適応力と度胸に着目し、ひとまずその場を去る。
 その後事務所前で吾代と笹塚が鉢合わせ。血の気の多い元ヤクザの吾代と冷静沈着の刑事笹塚は反りが合わず一触即発のムードに。
 その頃事務所内では幼女睦月が弥子たちの帰りを待っていた。おじいちゃんが命を狙われているので身辺調査をして欲しいと言う。謎の気配を察してネウロは捜査開始。だが翌日老人は殺されてしまった。
 警察とネウロに吾代も加わって捜査が進み犯人を追い詰めるも、睦月が人質に取られてしまう。危険な状況だがネウロは「我が輩が助ける必要は無い」と。なぜなら、水と油だった吾代と笹塚が協力し合い連係プレーで見事犯人を捕らえたからだ。
 ネウロは言う「人間にはそれぞれ最良の使い方がある」得意分野を活用すれば魔力を浪費しなくても謎を喰うことができるのだと。これまで人間を下等動物のようにしか見ていなかったネウロに、人間への興味と信頼が育ってきた。その変化を弥子は感じ取っていた。
 一方、捜査途中で情報屋から笹塚の過去を聞かされた吾代は不審の念を抱くのだった。

 その頃、あの男も動き始めていた。
 怪盗「Ⅹ」はHALのデータをコピーし脳に取り込むことで、電子ドラッグの性能を手に入れた。標的はネウロ。
 そうとは知らないネウロと弥子は、毒ガスが発生した山村に足を踏み入れていた。そこで殺人事件が発生した。けれども喜ぶはずのネウロのテンションが低い。この謎は違和感があるというのだ。
 いつものように謎解きを始めようとした瞬間、犯人が超人的な力で飛び去った。犯人は「Ⅹ」が用意した刺客だったのだ。ネウロは混乱する弥子を置いて、犯人を追いかける。逃げられた上に謎が食えないのはプライドが許せない。だが犯人には別の目的がある。ネウロが油断して弥子から目を離した隙を狙って、弥子が「Ⅹ」に連れ去られてしまった。
 拉致された弥子が目を覚ますと目の前に「Ⅹ」とアイがいた。「Ⅹ」と出会った当時は名前を聞いただけで震え上がっていた弥子だったが、「Ⅹ」の天然で無邪気な性格をじかに目にしたせいか、自然に話しができるほどになってきた。
「今度こそ自分の正体を解明して元に戻る」という「Ⅹ」に、弥子は単純に疑問を投げかけた。「今の自分が本当の正体じゃないの?」と。真意が伝わらなかったのか、カッとなった「Ⅹ」に電子ドラッグを見せられ弥子は洗脳されてしまう。だがアイは弥子の言葉に心を揺り動かされていた。「Ⅹの正体を明かすのはネウロではなく弥子なのでは」と。

 一方、警察でも動きがあった。刑事笛吹の古い友人で国際捜査員のアンドリュー・シクソンが怪盗「Ⅹ」を逮捕するために来日した。アンドリューには見聞きしたことを瞬時に記憶する能力がある。彼が言うには、国際指名手配中の特殊工作員・イミナが「Ⅹ」と行動を共にしている可能性があるのだと。さっそく笹塚と調査に出かける。

 数年前、イミナは搭乗した飛行機内で毒ガスを仕込む任務を遂行中、隣に座った人物が次々と「変わっていった」のを見て驚愕する。その人物こそ怪盗「Ⅹ」。限界のある人間と絶望的な世界から自己逃避していたイミナは、限界を超える「Ⅹ」の存在を見知り、彼の中身を自分も確かめたいと切望し「Ⅹ」の従者となった。その日から自らをアイと名乗るようになった。

 弥子が連れ去られた3日後、ネウロは「Ⅹ」の残したメッセージカードから弥子の拉致現場を突き止める。同時にアンドリューと笹塚も場所を探り当て急行する。アジトはなんと警視庁本部の地下。
 現れたネウロを「Ⅹ」は弥子に化けて出迎える。加えて電子ドラッグで洗脳し「Ⅹ」の動きとシンクロさせた弥子と一緒に、『二人の弥子』で攻撃してきた。「俺たちの見分けがつくかな」と自信満々で攻めてくる「Ⅹ」だが、ネウロは簡単に見破った。その上HALの謎を喰って満腹のため至近距離からバズーカを撃たれても傷ひとつ負わない。
 ネウロからの厳しい懲らしめを加えられ深手を負った「Ⅹ」は屋上へと逃げる。駆けつけた笹塚たちと洗脳が解けた弥子とネウロで後を追った。
 ヘリで迎えに来たアイと逃げる手はずだった。だがしかし、「Ⅹ」がヘリに飛び乗った瞬間、操縦席のアイは頭部を撃たれて即死。ヘリは撃墜する。銃を撃ったのはアンドリュー。さっきまで仲間だと思っていたアンドリューが顔の皮を剥ぐと、中から邪悪な圧力を放つ男が現れた。男は自らを『新しい血族』の先端にいる者、「シックス」と名乗った。
「シックス」は「Ⅹ」に向かい「名も無き我が子よ」と言った。シックスの口から「Ⅹ」の正体が明かされる。
「Ⅹ」とは「シックス」のクローンから改造した実験体。生後5年を強化ガラスの中で成長させ、変異細胞の経過観察のデータを取るために社会に出した。それを今、回収に来たのだという。
 あれほど知りたかった自分のルーツ。過去の思い出や無くした記憶など元々無かったのだ。茫然自失の「Ⅹ」を連れて、「シックス」は高速で飛び込んできた無人戦闘機に素手で捕まり逃走した。想像を絶する出来事に警察は成すすべも無い。
 弥子はついさっき誘拐されたと言うのに、「Ⅹ」を心配する。ネウロは人間でも魔人でもない「シックス」が何者なのか、知りたがっていた。
 そんな時、ネウロへ「シックス」からお茶会のご招待。そこで「シックス」は『定向進化』について説明する。 動物の交配で行われる一つの方向へ突き進む定向進化。これと同じことが7000年前、一族の中で「悪意の定向進化」として進められた。こうして強い脳と悪意を持つ血族が出来上がった。それが『新しい血族』。自分はその頂点にいるのだと。世界には100人の血族がいる。血族が栄えるためにそれ以外の人間を殺すのが目的なのだという。
「シックス」が人間の数を減らせばネウロの食料である謎も減る。それは魔人の本能として許せない。つまりネウロと「シックス」は敵対関係にある。「シックス」はネウロの目の前で大勢の人間を殺して見せた。ネウロは強い不快感を表わす。これまで誰かに本気の敵意を表わしたことの無いネウロが始めて見せる嫌悪の表情。
 人間にとっても有害な悪の存在「シックス」が、これからどんな「病気」を撒き散らすのか…。

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 アルバイト探しのときにアイが弥子に言ったアドバイス「可能性無き絶望ほど怖ろしいことはないのだから」。これは自分の過去を振り返って出た言葉なのでしょうか。それと弥子が言った「私を見る視線はネウロのものと似ていた」これはつまり弥子の可能性に期待する目。アイは弥子に何か感じるものがあったようです。
 アルバイト大作戦編はただのギャグの回と思いきや、後々に影響する伏線があちこちに張られていました。 
 弥子とぶつかったときに散らかった荷物。これも後で大事な記憶として使われます。それとアイが気づいた弥子に付いている虫。ネウロが弥子を監視するために付けた魔界虫です。これは噛み切り美容師のときにもいました。ネウロは弥子が側にいないときにも目が届くようにしている。ただし今回の毒ガスの山村では敵を追うのに夢中で察知が遅れたのか、魔界虫は飛んでいたのにネウロは弥子への注意を逸らしてしまった。でも見捨てず救出しに行くところを見るとネウロにとって弥子は大事なんだなぁと。「いまさら別の奴隷を探すのは面倒だから」という理由じゃないと信じたい。
 それと、吾代と笹塚の出会いも意味のあるもの。笹塚の隠された本性を知る人物として吾代は後に重要な役目となります。玩具メーカーの老社長殺人事件で笹塚が言った復讐についての意味深な発言。これに反応したのも吾代でした。少しずつ読者にヒントを与えてくれています。
 そして驚くべき伏線はアイことイミナが飛行機で会った「Ⅹ」の姿。次々に違う人間に代わっていく途中で現れた少女は、実は「Ⅹ」の本当の姿だったのです。自分の本当の正体がわからなくて探している「Ⅹ」。自分もそれが知りたくて行動を共にするアイ。ところが二人が気がつかないうちに、すでに目にしていたという。22巻の回想で「Ⅹ」が「どの顔で固定すればいいか」とアイに聞いたとき、一瞬少女の姿になったのに、アイは「いつもの顔でいい」と戻させています。これも悲しい運命とでも言うやつですか。
 弥子が「Ⅹ」の正体を知るきっかけになるのではと、期待したまま死んでしまったアイさんですが、もうあなたは本当の「Ⅹ」に会っていますと教えてあげたい。
 けれどもアイの期待もあながち間違っていません。「Ⅹ」の正体を知らされたのはシックスからですが、アイの予想通り、ある意味「Ⅹ」の本当を取り戻すきっかけを作ったのは弥子。これは最終回近くで出てくる話ですが、このアイの予想も伏線。
 アイがあっさり死んでしまったのはショックでした。敵とはいえ印象的なキャラなので。でももっと衝撃的なのはシックスが手下にノコギリで自分の腹を切って自殺しろと命令する場面。画では飛び散る血とギコギコの擬音だけなのに、嫌な想像が掻き立てられ、こいつの恐ろしさが強調されます。
 そしてシックスとネウロのドSサミット。犯人の話になど興味がなかったネウロが、シックスの御託にじっと聞き入っています。ネウロの「プライドを取り戻せ人間どもよ」かっこいい台詞ですが、これは強要されて殺人をするのではなく自分の意思でやれってこと。いや、どうなの。これって…。
 去り際にネウロがシックスに「Ⅹはどうしている」と聞いています。これは弥子が「Ⅹ」を心配したのを受けて代わりに聞いてあげたのでしょうか。はっきりと変化が現れるネウロの人間的な感情。
 最後のページの「容赦なく人が殺されるだろう。私の身近な人ですら例外でなく」の背景に頭を打たれる人の絵。これは一体誰のことなのか。まさかあの人とは、この時点では思いませんでした。 
 悪の人間と人間を守る魔人の闘いは、いよいよ始まります。


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この記事へのコメント

kage

Re: 探偵物

金田一少年は私も好きで全巻読みました。ネウロは金田一に比べると謎解きはB級ですけどね。
ちなみに、金田一少年の決まり台詞は「謎はすべて解けた」。ネウロは「謎はもう我が輩の舌の上だ」です。

Posted at 21:31:02 2012/10/02 by 朔の月(さくのつき)

この記事へのコメント

kage

探偵物

探偵系は結構自分好きですねw
金田一少年特に好きでしたw

Posted at 21:16:34 2012/10/01 by 吾妻 玲二

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kage


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