2017 09 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. »  2017 11

綿矢りさ『勝手にふるえてろ』

kage

2011/12/04 (Sun)

綿矢りさの作品は他に『蹴りたい背中』『インストール』『夢を与える』3作とも読みました。
印象として、この作者さんの描く主人公はタイプが似ているな、と。(夢を与えるは、三人称のせいかちょっと違う気もするが)
どこか冷めていて男に媚びない、甘えない。でも自分には甘い。皮肉っぽく考えがちだけど表には出さない。
「好きだけど嫌い」のような正反対の感情が同居するのが女で、その女特有の心理を書くのが上手いのが、綿矢りさだと思っている。つい「わかるわかる~」と共感できてしまう。

『勝手にふるえてろ』の主人公ヨシカは、26歳彼氏なし。「イチ」と「二」のふたりの男の間で揺れ動く女心を描いた恋愛小説。
ヨシカは中学から26歳まで勝手に片思いしている「イチ」との恋愛妄想をしているが、自分から告白する勇気はない。しかし、「イチ」はヨシカを存在の薄い同級生くらいにしか見てなく、名前さえも覚えていなかった。
一方「二」は、生まれて初めて告白された相手だが、無神経で空気の読めない暑苦しい男。全く興味のないヨシカは、「二」に冷たい態度をとってしまう。それでいて思わせぶりにデートしたりもする。
そして、結局最後には、「二」とくっ付くという、ありがちなお話。
まぁ、現実にもそういうもんだわな~的な感じ。

主人公は26歳で処女を気にしていますが、数日前の新聞で、恋人のいない男は61%、女は49.5%とあったので、今どき珍しくないのでは。
最近の独身男女は、恋にがつがつしていないのかもしれませんね。

しかし、この主人公。普通の女の子かと思えばそうでもない。
会社のパソコンから元同級生の名前を騙ってミクシィに入会し、「イチ」と会うきっかけ作りのために同窓会を開こうと同級生にメッセージを送り、そしらぬ振りして同窓会に参加し、イチと再会を果たしたり、会社をズル休みするために妊娠もしていないのに「つわりが酷くて」とウソをつき有休をもらったり、やることがぶっ飛んだ、とんでもない非常識女だ。
こんな女をなぜ、「二」は好きになったのか不思議だけど、男女の恋愛なんて理屈じゃないですからね。

正直言って「蹴りたい背中」ほどの衝撃はなく、どこがおもしろいのかよく分からなかったかな。
でも、「蹴りたい背中」もストーリーがどうだと言うより、19歳でこれほどの描写力が出せるのか、と驚いただけなので、小説としておもしろいか?と言われると首をかしげるけど、それが綿矢りさの味なのかもしれない。いや、いい意味で。
読みやすく、読後のすっきり感が、私に合うのだと思う。

勝手にふるえてろ

価格:1,200円
(2012/2/11 23:33時点)
感想(11件)



くじけないで

価格:1,000円
(2012/2/11 23:35時点)
感想(901件)




もう一冊、話題の本。「くじけないで」柴田トヨおばあちゃん。
もう、何も言いません。ぜひ読んでみてください。
実家のおばあちゃんに会いたくなったよ~。100歳の作者さんにパワーもらったよ。

綿矢りささんも柴田トヨさんも、新刊が出ています。
読んでみます。図書館で借りて。


にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ
関連記事

コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック