犬夜叉 完結編 第14,15話 感想

 父上の真の目的に気付いた殺生丸は、それを確かめるために刀々斎の住処に行く。
 父上の目的とは、殺生丸が冥道残月破を完成させ、再び鉄砕牙に天生牙を吸収させること。つまりは、初めから犬夜叉に冥道残月破を譲らせるつもりだったというのだ。
 不服な殺生丸は刀々斎に八つ当たりするが、刀々斎は刀への執着と犬夜叉への憎しみを捨てた時が父上を超える時だ。父上の目的には、まだ先がある、とほのめかす。
 
 そしてその頃、殺生丸の留守中を狙って、琥珀とりんたちの元へ、最後の一つのかけらを奪いに奈落がやって来る。しかし、奈落は琥珀のかけらに触れることが出来ない。桔梗の浄化の力は死んでもなお続いていた。
 それならばと奈落は、琥珀の首ごと刈って持ち帰ろうと襲ってくる。そこへ駆けつけたのは、姉上珊瑚。飛来骨を奈落に向かって投げると、バージョンアップした新生飛来骨は、邪気を纏って奈落の体を砕いた。粉々になり、すぐに再生できない奈落は退散。
 結界の中で体を戻す間、奈落は次なる手を打つ。用意したのは神無の妖の鏡のかけら。白夜は奈落の命令で殺生丸にそのかけらを手渡した。それを天生牙の刀身に纏わせれば、鉄砕牙の能力を移し取ることが出来ると言うのだ。殺生丸は奈落の罠だと知りながらも、その企みに乗った。
 
 殺生丸の帰りを待つりんたちと犬夜叉の元へ殺生丸が近づき、犬夜叉に闘いを仕掛ける。
 天生牙の匂いの異変に気付き、奈落に魂を売ったのかと、犬夜叉だけでなくりんたちからも責められる殺生丸。
 するとそこへ白夜が現れ、殺生丸と犬夜叉を別の空間へと移動させる。
 殺生丸は犬夜叉が鉄砕牙の真の継承者であるに相応しいかを見届けるために、奈落の企みを利用し、決戦を挑んだのだ。
 その頃、心配する仲間たちのところへ、刀々斎が気配を察してやって来た。
 鉄砕牙と天生牙が一つになる時が来たと言う。

 次々に鉄砕牙から移し取った技を犬夜叉に放つ殺生丸。ただでさえ力の差がある犬夜叉に勝ち目はない。苦し紛れに妖怪化して迎え撃つ。
 だが、二つの刀が交える度に、奪った妖力は鉄砕牙に戻りたがっている。ならば、いずれは鉄砕牙に戻る運命の冥道残月破も奪い取ってみろと、殺生丸は容赦なく真正面から冥道残月破を放つと、犬夜叉は冥道へと消えていく。
 闘いに敗れた犬夜叉に失望した殺生丸は、もう必要ないと冥道に自分の刀を捨てる。
 するとその時、二つの刀が共鳴した。
 竜鱗の鉄砕牙が示す通りに犬夜叉は自分の妖穴を斬ると、冥道が犬夜叉の妖気に侵食されていく。自分の妖穴を斬るということは、死ぬということ。しかし、犬夜叉の鉄砕牙は妖穴を斬ることで、ますます妖力が増していく。すなわちそれは、鉄砕牙の真の継承者の証し。
 それを見ていた奈落は、殺生丸が捨てた刀を操り、犬夜叉を襲う。 
 すると殺生丸は迷わず冥道に飛び込み、奈落が操る刀を掴んだ。殺生丸は犬夜叉に斬りかかり、刀を交え強く押し付け、自分から天生牙を折りにいった。
 鉄砕牙は斬った刀の能力を奪う刀。今、天生牙と鉄砕牙はひとつになり、冥道残月破は、鉄砕牙の物になった。
 しかし、妖怪化が消え半妖に戻った犬夜叉は、奈落の瘴気の槍で気を失ってしまう。それを見た殺生丸は背中の槍を抜いてやり、軽いビンタで犬夜叉の目を覚まさせる。
 冥道残月破を譲った今、冥道から抜け出す手段は、犬夜叉に任せるしかない。焦る犬夜叉だが、冥道の奥に見えた光に導かれ、そこを狙って斬ると、二人は冥道から抜け出すことが出来た。
 二人と一緒に落ちてきたのは、折れたはずの天生牙。導いた光は天生牙だった。天生牙は武器としてではない、癒しの刀に戻っていた。
 せっかく育てた武器を失い、殺生丸は丸腰になった。殺生丸を心配する犬夜叉に、刀々斎は、殺生丸はもうじき父上の形見ではなく、自分自身の刀を手に入れるだろう、と言う。

  ◇

 刀でお悩みの殺生丸でしたが、殺生丸なりに納得できたようで、長かった兄弟喧嘩もひとまず落ち着き、鉄砕牙の継承者争いにも、決着つきました。
 でもね、殺生丸も苦しかったんだと思います。「なぜ、父上は私ではなく、半妖の犬夜叉ばかりかわいがるのか」と。
 それでも、試練を乗り越え、彼も少しは父上の本当の思いが分かってきたようです。
 弱い半妖には守り刀が必要。
 戦闘能力の高い殺生丸にも足りないものがある。刀への執着と犬夜叉への恨みを捨てなければ、それは分からない。武器としての刀を弟に譲り、人の命を救う天生牙を兄に持たせた父上の真意とは何か。それは誰かに教えてもらうのではなく、自分で悟らなければならないのですから。

 でもやはり、殺生丸はいいお兄ちゃんだな、と思いました。
 自分から天生牙を折りに行くときの決意した表情、背中の槍を抜いてやり目覚めのパンチ。結局は弟の面倒見のいい兄の姿。彼なりの愛情だと思います。
 そして、天生牙に導かれなければ、冥道を抜け出せなかったわけだし、お兄ちゃんが大事に育てた唯一の武器を譲られたことの意味、鈍感な犬夜叉も分かってくれたようで、このふたりは何だかんだ言って、兄弟なんですね。
 心から憎しみ合っているのではなく、相手の存在が自分を高め、刺激し合う。

 頭だけになった奈落は、犬夜叉兄弟の仲直りと刀の進化に役に立ってくれました。
 殺生丸を利用しようとしても、まるで相手にもされず、ああ、本当にあなたは哀れな人だ。

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